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外資系マネージャー(管理職)に転職する前に知っておくべき7つの必要なスキル

外資系

外資系でマネージャー・管理職として働きたいが、どのようなスキルが必要になるのか知りたい。実際の経験者から聞きたい。そう思っていませんか?

外資系のアメリカ本社で働いた経験のある外資系歴10年の私が学んだ、外資系マネージャに必要なスキルについて解説します。

  1. 外資系のマネージャ・管理職とは
  2. 外資系マネージャに必要とされる7つのスキル
  3. まとめ

 

外資系のマネージャ・管理職とは

外資系企業のマネージャというとどんなイメージがあるでしょうか?バリバリ仕事をして給料をたくさんもらって、超忙しいという感じでしょうか。

実際に外資系企業のマネージャに昇進するには、英語が当然できないといけませんし、実績をアピールして認められることが必要です。実力主義なので年齢などは関係ありません。結果を出せば昇進できます。

そして給料は日系企業と比べてもかなり高いものが期待できます。外資系の中でも担当レベルと管理職では全く給料が違います。上がれば上がるほど上昇率も上がっていきますので数千万円代の給与も夢ではありません。

しかし、外資系企業の管理職も給料が高い以上簡単な仕事ではありません。本社からの相当なプレッシャーもありますし、世界中と電話会議をしたり高い給料分の結果を出さないとリストラされてしまうのです。仕事で結果を出したい、自分ならやれる自信があるという人には結果次第ではかなりの給与がもらえるのでお勧めです。

それでも、相当のスキルがないとマネージャ職は務まりません。ここでは、外資系マネージャに求められる7つのスキルを解説していきます。

外資系マネージャに必要とされる7つのスキル

外資系流のゴール設定ができる

まずチームを率いるマネージャとして最初に必要なのはゴールを設定する事です。当たり前じゃないか、と思うかもしれませんが、そう簡単ではありません。

外資系ではビジネスを伸ばしていくという気持ちを持つことが普通の期待値です。現実的には市場の影響もありフラットで進んでいく、または微妙に上がるくらいかな、とゴールを設定する、とそれだけであなたの評価はガタ落ちです。なぜでしょうか?

マネジメントレベルでは、マネージャーに期待するのは担当領域のビジネスを伸ばしていくことです。それを最初から伸びない計画を立てるような人に仕事を任せたくありません。

厳しい言い方をすると、妥協した目標を提示した瞬間に評価が探します。つまり、ある程度のビジネス拡大をゴールにしなければいけないと言うことです。現実的に無理だ、と言い訳するような外資系のマネージャに向いていません。

外資系のマネージャはゴールを高く設定して、そこに向かってGapを埋めるために何をすれば良いかを考える必要があります。そのための具体的な戦略を立てる必要があるのです。最初からもうこの市場は伸びないから年率1%成長くらいかな、といった瞬間にクビです(大げさですが)。特に会社の経営層にプレゼンする機会がある場合は慎重に自分のやる気を見せたゴールを作らないと死活問題になります。

実際に日系企業のゴールは一応立てるものの現実的には無理だよね、みたいな空気がある場合もあると思います。外資系ではその立てたゴールに向かって「達成するためにはどうするか」を立てて実行することが全てになります。ゴールはただ存在するものではありません。実行して達成を目指すものなのです。

戦略的にアクションを設定できる

ゴールを設定したら、そこに達成するためにはどういう戦略を取れば良いかを考えます。具体的な戦略について全て自分で決定する必要があるのが管理職のマネージャです。

上から降ってくる方針は非常に広い方針なので、具体的な自分の担当範囲に関しての戦略はマネージャに立てる権限があります。ここにマネージャの面白さがあります。上から言われたことをやるのではなく、ゴールに向かって何をすれば良いのかを自分で考えて戦略を立てて自分とチームでアクションを取っていく。責任が発生するのですが、この重圧がやりがいにもつながるのです。

そして、具体的なアクションについては口だけのアクションではいけません。実際に実行できるプランを立てる必要があるのです。日常レベルに落とし込む必要がありますので、日常業務がゴールにつながっていないといけません。

よくあるのが、マネージャの目標は分かっているけど、日々の業務があるから忙しくて後回し。という担当レベルの人がいます。その問題は、日々の作業というのがゴールにつながっていないということです。ゴールが口先だけになっていてメンバーが納得していない状態ということです。ゴールは共有されて、日々のアクションもすべての作業がこのゴールを達成するためにチームが動いている、というのが理想的な状態です。

競合を調査する必要性を理解している

チームのアクションを設定する上で、考える必要があるのが競合他社の存在です。自社の競合がないようなブルーオーシャンな戦いができるのがベストですが、多くの場合では同業他社があると思います。その他社からどれだけのシェアを取れるのかが、会社が伸びていくかどうかの大切なポイントです。そのために、競合のことを知ることが大切なのです。

これも言うと当たり前なのですが、実際に競合のことをどれくらい知っていますか?製品ラインナップから、今後の注力していく領域、自分の得意客にどのような攻め方をしてきているか、価格戦略はどうか、強みと弱みは何か、など競合の情報は知りすぎということはありません。それどころか、そんなに知らないでビジネスを行なっているという会社も多いのではないでしょうか。

自社のビジネスを伸ばす時に競合他社についての情報を持つことは大切です。そしてそれを元に競合だったらどんな戦略でくるかを考えて、それを元に自社の戦略を立てるという先読みの能力も必要になります。

チームメンバをドライブする意味を理解している

外資系マネージャは一人では仕事はできません。基本的にチームを持ってメンバーと一緒に仕事をすると思います。一部ではプレイングマネージャのような方もいるとは思いますが。そこで重要なのが、自分だけではなんの結果も出せないということです。

チームのみんなが結果を出して自分の結果となるのです。つまり、どれだけチームのみんなが働きやすくするか、結果を出すためにプレッシャーをかけていくかが重要なマネージャとしての役割になります。外資系ではチームを「ドライブ」するという言い方をします。

英語で、動かす・リードしていく、というような意味があります。仲良しチームを目指すわけではありません。結果を出すためにはマネージャとしてどうメンバーのモチベーションを上げるか、仕事をさせるか、を常に考えていく必要があります。

顧客の期待値を調整できる

何か大きい問題があった時に責任を取るのがマネージャです。外資系ではどんなに重要な問題が起きたとしても実際の責任者は現場のマネージャです。その上にも多く偉い人はいますが、言い方は悪いですが、お飾りとしてはお客様に訪問したりしますが、どのように問題を解決するか、アクションを取るかの全責任を取るのは現場のマネージャなのです。

それはやりがいがあるとも言いますが、とんでもないプレッシャーがかかるとも言えます。お客様の役員クラスに上がってしまった問題が起きた時には、現場のマネージャが相手をするのでは厳しいので自社も役員クラスを出す必要があります。しかし、役員クラスの人は戦略を考えることはありません。役員はどう振る舞えば良いかを指示するのは現場のマネージャのあなたなのです。

相手はどのような内容で怒っているからまずはこのように説明して、その後にこの交渉を始めようと思います。と作戦を考えて役員とともに行動します。

その際に重要なのが、相手の期待値を設定することです。怒っているお客様はサポートへの期待値が非常に高いからがっかりして不満を持っているということがあります。その場合は自社では期待に添えるサポートができない旨を丁寧に説明する必要があるのです。相手の期待値を下げるということです。ああ、この会社ではそういうサポートはできないのか。がっかりさせるような事と思いますが、期待値が下がった相手は、ではこちらならどうですか?ともう少し交渉のテーブルに乗ってきてくれます。そのようにして、相手の期待値を下げて交渉を行う。こう言う仕事も外資系のマネージャには必要になります。

プライオリティの重要性を理解している

外資系企業で働く際に、一番重要といっても良い考え方に「Priority -優先度」の考え方があります。全ての作業に優先度をつけないといけません。優先度の高いものというのは会社の利益をもたらす行動です。この優先度・プライオリティの高い作業にどれだけ自分たちの時間を使えるかが重要な指針になります。

例えば、書類ごとに時間がかかって、お客様のサポートに時間が割けないという状況があったとします。これは完全にプライオリティのつけ方が間違えているのです。社内の書類はいくら遅れても利益は変わりませんが、お客様のサポートへの不満が溜まった場合は売り上げが落ちる可能性があります。この場合はお客様優先の必要があるのです。

社内の納期が厳しくてどうしても優先しないと、と担当の人が言っているようであればマネージャが調整して優先度を変えて上げなければいけません。社内ごとの納期を伸ばすとか、他の人も手伝わせるとか。会社の利益に繋がらない無駄なことはしない、という考えが根本にあるのが外資系なので、無駄な長い会議や必要のない書類のハンコのプロセスなどは少ないです。自分・チームの仕事の優先度を考えましょう。

プレゼンスキルでなく、実際の結果を重視している

外資系のマネージャはプレゼンをする機会がとても多いです。上司の経営層も含めて、海外の同僚や、製品部など広く仕事をする必要があるのです。当然英語でのコミュニケーション能力は必要になります。

ここで重要にしているのは英語の能力ではなく、プレゼンスキルの話です。外資系だからみんなプレゼンがすごい上手でビシッとやるイメージがありますが、実はそんなことはありません。外資系とは言っても日本支社は日本人が中心なので、人によって能力は違います。

しかし、本社のアメリカなどの国ははやりプレゼン能力は高いと感じます。プレゼンのうまいアメリカ人に聞いた話ですが、プレゼンスキルは外資系ではあまり重要ではないと言うのです。私はそんなことはないだろ、と思いながら聞いてみると、プレゼンに必要なのはうまく見せるテクニックではなく、日常的にどのような活動をしているかの方が重要と言っているのでした。その場のテクニックが下手でも日々の活動のデータ(数字)がしっかり結果を出していれば問題ないという話だったのです。なるほど、と思いました。

プレゼンがいくら上手でも、日々のビジネスの数字が結果も出ていない・戦略もしっかりしていない、ではやはり評価は下がるのです。外資系でマネージャとして働くには理解しておくべき考えです。

まとめ

外資系のマネージャには日系企業の管理職とは違った種類の仕事のやり方が求められます。ここで記載したような内容を理解していれば期待値に答えやすくなると思いますので、仕事が少しやりやすくなるのではと思っています。このアドバイスがあなたの役に立つことを期待しています。

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外資系の管理職になるメリット・デメリットもこちらに記載していますので、参考にどうぞ。

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