外資系半導体メーカの営業(Sales)と技術営業(FAE)の役割と違い -後半
こんにちは、外資系部品メーカで営業をしている、ゆきひこです。
前回は外資系の営業の役割について説明しました。次の技術営業(FAE: Field Application Engineer)のについてです。Fieldという名前がついている通り、お客様の近くで技術対応をするエンジニアという事です。
FAE(Field Application Engineer)の役割
外資系の日本支社のFAEは主に客先の評価や詳細な技術質問に対応します。外資系では製品部が海外であることが多いので、英語にて技術的コミュニケーションをとることが必須となります。個別の製品のプロフェッショナルは常に本社の製品部になりますので日本支社のFAEはお客様の質問・懸念を理解して本社の製品部に確認を取る事になります。お客様の立ち位置で質疑応答をする必要がありますね。
営業業務
- 製品紹介・技術観点からのメリット・デメリット説明
- お客様の問題に対する技術的ソリューション提案
- デモや評価キットの調整・サポート
- 技術質問の回答、お客様の評価サポート
営業関連が主な業務になりますが、営業との違いはより技術目線で対応が必要になるということです。実際のお客様での製品評価の質問を対応したりします。お客様が技術的難題を抱えている時に、自分で考えた提案を受け入れてもらえた時は大きなやりがいを感じると思います。
問題解決
- 評価にて問題があった場合の解決サポート
- 量産品の不具合に対する技術的解析サポート
何か技術的な問題が発生した時には、FAEのサポートが必要です。重要な問題であればあるほど、そのプレッシャーは大きくなります。答えが見えない中でロジカルに本当の問題の原因を探っていく作業は大変でもありますが、それを誰よりも早く解決できた時の嬉しさはFAEならではと思います。
技術営業FAEに求められる能力
- 深い製品知識
- お客様とのコミュニケーション能力。お客様の困っている事を理解する能力
- 英語での技術コミュニケーション能力
豊富や製品知識とその技術的知識がFAEの存在意義になります。営業よりもお客様と深く議論ができること、そこから技術的観点での提案などを行うこと。その能力が必要になります。
また、FAEが話をするお客様はほとんどがエンジニアになります。話す内容は技術的な内容がほとんどです。技術系の仕事がしたいが、お客様の前に出るのはちょっと、という方はFAEは厳しいかもしれません。というのは技術営業なので、お客様の問題解決のために存在する仕事なので、ラボにこもってずっとするような仕事ではありません。私の回りの優秀なFAEの方もどちらかというと営業に向いているような方が成功しているような気がします。お客様と話をして何に困っているのかを聞く力、コミュニケーション能力は必要になると思います。技術にだけ興味があると、そこに深くハマるような仕事を探している方は、設計部門や開発を担当する仕事を探した方が良いと思います。
また、外資系ではどうしても本社のエンジニアとのやりとりが必須になりますので、その英語力は必要になります。英語力とは言ってもメールのやりとりだけで問題ないケースも多いです。
精神面で求められる素質
- 技術的好奇心
- ロジカルな問題解決能力
まず、一番重要な素質は技術的な観点での好奇心が一番必要と思います。常に最先端の技術に興味を持ち、理解しようとする気持ちがないとこの仕事の面白さは無いように思います。
そして、問題に対してロジカルに考えられること。原因は何か、どの要因が本当に問題に影響しているのか、などの問題解決能力、というか問題に対する姿勢が重要になります。
FAEの仕事での大変さ
- 技術的問題サポート
大きな技術的問題が起きた時の窓口になるのはFAEになります。お客様が大問題と認識しているものを解決サポートするのは相当なプレッシャーがかかります。特に技術的問題はいつも解決方法がクリアに見つからない事が多いためです。しかし、誰も解決できなかった問題を自分で解決した時の喜びは大きいですし、自分の成長にもつながります。
FAEの仕事での楽しさ
- 自分の提案した解決方法が採用された時の喜び。
- 最先端の技術知識を学ぶ事で成長を感じる事ができる。
- 製品が採用された時の喜びは営業と同じように感じる事ができます。
採用になった時の嬉しさはもちろんのこと、最先端の知識を現場の最前線で学ぶ事で自分の成長を確認できる事もFAEの魅力になると思います。
以上、営業と技術営業(FAE)についての説明をしました。営業と技術営業(FAEでは)これだけの違いがあります。これから外資系を目指している方、今この仕事をされている方などのお役に立てれば幸いです。
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ゆきひこ