外資系の「エスカレーション」ってどういうこと? 後半
こんにちは、外資系部品メーカで営業をしている、ゆきひこです。
前回はエスカレーションについて説明しました。
エスカレーションするにあたって気をつけた方が良いことを3つ説明します。
外資系のエスカレーションに必要な3つのこと
1、要求が論理的(ロジカル)であること
本社にエスカレーションする時には、何かこちらのして欲しいことを要求します。
相手は日本人ではありませんので、空気や背景を読んでくれることはありません。書いてあること「だけ」で判断します。つまり必要なことは全て伝える必要があります。また、同時に余計なことばかりメールに書いてしまうと、要求がぼやけてしまうので、対応してくれない可能性もでてきてしまいます。
何かをして欲しい場合は、海外の人のリソース(人、モノ、お金)を使うことになります。その場合は論理的(ロジカル)でない要求に関しては対応してくれません。
感情論で動くことはありません。いつもこうしているから、などというのも通じません。
この対応をしなければいけない理由、対応した場合のメリット、どう売り上げにつながるのか、逆にそれをしないとどうなるのか、このような情報を正確に、そしてシンプルに伝えてあげる必要があります。金額が多い場合などは特に詳細な背景や理由が必要になります。
これを日本支社の人は英語を駆使して説得する必要があるわけです。
つまり、ロジカルにわかりやすく、相手が判断しやすいように要求する事が必要になります。
2、エスカレーションすることを遠慮しないこと
外国の人は、「日本人はエスカレーションをすることが非常に少ない、もっとするべきだ」と良く言います。上司にあげることを日本の文化ではあまり良く思わないですよね。そのために上にあげる事なく、担当レベルで出た結果で諦めてしまうケースが多いのです。
逆に、中国人はどんどんうるさいくらいにエスカレーションを上げてくるということでした。迷惑かと思いきや、中国人の方が積極的で良いとの評価をされるのです。日本人はもっとアグレッシブになれ!という事を言われます。
日本人が気を使っていることが完全にマイナスなのです。上の人に上げてしまったら普段やりとりしている担当レベルの人が気にするだろうと考えてしまいがちなのですが、実際は本社の担当レベルの人は、自分の上司にエスカレーションされても何にも思わないのです。
これが文化の違いなのです。自分の出せる承認レベルは決まっているので、それ以上の判断はボスがするということで理解するため、エスカレーションされても嫌な気分にもなりませんし、上司に責任が移ったと考えるのみです。
日本人は人のことを考えすぎてしまうのです。悪くいうとびびってしまうとも言えます。ただでさえ英語でのコミュニケーションは得意ではないのに、製品部の上の方の人は偉い人なので、できれば連絡したくない、、とか思ってしまう場合も多いのです。
しかし、本来のビジネスを取るという意味では本社としてもローカルからのお客様の意見は重要なインプットであり、大切な情報です。よって、本社の製品部はなんでもこれを上げて欲しいと繰り返し日本支社にいうのです。
3、日本支社としてのパッションをもつこと、諦めないこと
日本支社の重要な役割の一つは、日本のお客様の声を本社にあげることです。
エスカレーションは本社に日本支社の存在意義を見せる絶好の機会なので、これを逃してはいけません。日本からの要求は本社は必要なものと考えてくれているはずなのです。
また、エスカレーションの仕方によっても、本社が問題に対応してくれるかどうかは変わってきます。どのように説得して必要なリソースを獲得するか、日本支社としての腕の見せ所です。
私の経験では、多くのケースでは日本の対応の仕方によって向こうを説得できる場合と、どうやっても無理な場合と50:50くらいがありました。
つまり、半分は日本がどのようにインプットしたところで本社の対応は全く変わらないケースが多くあるということです(残念ですね)。こういうケースはお客様から見ると、日本支社に力がないと言われるケースです。会社の方針として決まっていることの場合があります。
逆に言えば半分は、日本のエスカレーションのやり方、パッション次第で本社の対応が変わるということです。こちらが大事ですね。この場合はどう本社に要求するかで変わってくるので日本支社の腕の見せ所です。外国人でもビジネスを取りたいという情熱は受け取ってくれます。そのような人には対応してあげようと思ってくれるものです。
以上が、外資系にてエスカレーションをする際に気をつけること3つです。
何かの役に立てれば幸いです。
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ゆきひこ