外資系企業が利益率が高い理由
外資系企業の利益率は日本企業より高いのはなぜか。理由を知りたいと思いませんか?
私は外資系歴10年で、営業として価格交渉に長く携わってきましたので、その経験から説明させて頂きます。
外資系企業の価格決定権
日本企業に働いている人から見ると不思議かもしれませんが、価格の交渉については全て本社(海外)で行います。だから、会社の利益に繋がらないような価格交渉には応じません。コスト低減依頼にしっかり断ります。(当然、会社によって方針の若干の違いはあります。)
基本的に本社に全ての権限があるので、「日本的な感覚」でのコストダウン等はまったく通じません。「日本的な感覚」というのは、今までお世話になった会社さんだし、定期的にコストダウンの慣習があるから値段を下げますという価格改定の事です。
日本人である私は当然そのような会社の信用やお互いの関係性に基づいて行う価格交渉は理解できます。ただし、外資系の本社はそれを理解できません。
コスト低減依頼を断るため、日本のお客様から苦情がくる事はよくあります。しかしそこは外資系、苦情が来てもそれでコストダウンはしません。全てビジネスジャッジです。では全くコストダウンしないかというとそうではありません。
コストダウンして新しいビジネスが取れるなら下げます。そうでなければ下げません。下げる事で利益率が下がるだけなので意味がないからです。次に繋がるコストダウンは積極的に行います。
また、実際にコストダウンを断り苦情をたくさん受けるのですが、実際のオーダーがキャンセルされるような事は実はそう多くありません。そこまではお客様もしないですよね。
そのため、客先の印象は悪くなりますが、実利に繋がる注文は来るので会社としての利益率は高くなります。短期的な視点になりますが。
会社としては素晴らしい対応に見えますが、その間に挟まれる担当者は大変です。
営業とお客様の価格交渉-外資系編
担当:
お得意様から強くコストダウンを依頼されています。もう価格下げるまでここに来るな!って怒鳴られました。下げないともうあんたの会社は使わないぞ!って言ってます。
本社:
では、コストを下げる事でビジネスはどう増えるのですか?価格を下げなかった場合に、本当に客はオーダーもキャンセルしますか?次のビジネスは本当になくなるのですか?
担当:
いや、そう言われると…。なんだかんだで今後も使い続けてくれるとは思いますが、あの人と仲良くしておいた方が今後得だと思うので、(怒られるの嫌だし)。
本社:
実際にビジネスが減る確証がないたらコストダウン無しで進めてください。下げる理由は見当たりません。
担当:
えー?!どうしよう。。
という感じで話が進みます。
とても大変な事は想像してもらえたと思います。
この対応は、会社対会社のビジネスの継続性でいうと疑問が残ります。しかし、それくらいの対応も含めて外資系だからしょうがない、と理解しているお客様も多いのです。
そうでなければ国内企業の方がサービスは圧倒的に良いと思います。
しかし、日本の国内企業は世界的に見て競争力がないケースもあり、日本企業だけ取引をしているのではお客様が世界での競争力を失う事にお客様自身も気づいてきています。そのため、外資系の会社の製品を使わざるを得ないケースも増えていると感じています。
このように、外資系とのコスト交渉は厳しいものです。お客様にも営業にも。利益を高めるためには正しい事とは理解しつつも、現場は厳しいのです。
会社として見ると利益率が高い外資系ですが、従業員にとっては厳しい世界でもあります。
それを理解して外資系企業で働くのか投資するのかなどを考慮するべきではないかと考えています。
読んでいただきありがとうございました。
私が外資系企業に転職して良かった理由についても書いていますので、良かったら読んでみてください。
私と外資系転職【決断して本当に良かった】 | 外資系シェルフ
このページを見てくれていると言うことは、少しは外資系で働くことに興味を持ってくれていると思います。 この記事では、私の経歴と合わせてなんで外資系に転職することが良いことなのかの話をします。外資系転職は私の人生を変えてくれました。あなたの人生も変えられる可能性があります。