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日本のチップメーカー、キオクシアが東京最大のIPOを申請

半導体

日本のメモリ製品メーカー、キオクシアが東京証券取引所への上場を申請し、今年最大のIPOになる見通しです。2018年にBain Capitalによる180億ドルの買収で非公開化された同社は、半導体やAI関連株への投資家の関心を活かして少なくとも5億ドルを調達し、最終的には100億ドル以上の市場評価を目指しています。

上場の目的と期待される評価額

キオクシアは、世界で3番目に大きなフラッシュメモリ製品メーカーであり、サムスンとSKグループに次ぐ規模を持ちます。上場のタイミングは早ければ10月にも見込まれており、仮に目標が達成されれば、東京メトロの約45億ドルの予定時価総額を上回ることになります。

キオクシアの上場計画は、2018年にBain CapitalがSKハイニックスを含む投資家コンソーシアムを率いて同社を買収して以来、浮上していました。この買収は、日本の親会社である東芝が会計スキャンダルと深刻な財務危機に見舞われた際に行われ、「冠宝」であるメモリ事業を売却する形で実現しました。

上場計画の遅延と現在の動向

2020年に予定されていた上場計画は、パンデミックや米中貿易摩擦の影響で頓挫しました。その後、米国のデータストレージメーカーであるウェスタンデジタルとの合併交渉が進んでいましたが、昨年10月に失敗に終わりました。キオクシアは「適切な時期」に上場を目指して準備を進めているとコメントしており、東京証券取引所による上場申請の審査が行われる予定です。

キオクシアの財務状況と市場評価

キオクシアは、2024年4月から6月の四半期に過去最高の700億円(4億7,900万ドル)の純利益を記録しました。年間ベースで約3,000億円の利益を達成すると評価され、これにより評価額は1.5兆円に達する可能性があります。これは、サムスンやウェスタンデジタルの取引倍率の約半分に相当する5倍のPER(株価収益率)を意味します。

参考記事:
Japanese chipmaker Kioxia files for Tokyo’s biggest IPO of the year

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