バイデン-ハリス政権とテキサス・インスツルメンツ(TI)がアメリカの半導体製造を強化するためのパートナーシップを発表
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今回は、バイデン=ハリス政権とテキサス・インスツルメンツ(TI)による最新の発表についてお話しします。アメリカ国内の半導体製造能力を強化するために、TIがどのようにして重要な役割を果たしているのか、そしてこのパートナーシップがもたらす影響について詳しく見ていきましょう。
TIとアメリカ政府のパートナーシップ
バイデン=ハリス政権は、テキサス・インスツルメンツ(TI)と非拘束的な予備覚書(PMT)を締結し、CHIPSおよびサイエンス法の下で最大16億ドルの直接資金提供を提案しています。この資金は、国内のサプライチェーンの回復力を強化し、アメリカの経済・国家安全保障を向上させるために使用されます。このプロジェクトは、TIが2030年までに180億ドル以上を投資して、テキサス州とユタ州に最先端の半導体製造施設を3つ新設する計画の一環です。これにより、2,000以上の製造業の雇用と数千の建設業の雇用が創出される見込みです。
テキサス州とユタ州での拡張計画
今回の提案に基づく資金は、テキサス州シャーマンに新しい300mmファブ施設2つ、ユタ州レヒに新しい300mmファブ施設1つを建設するために使用されます。シャーマンの施設では、65nmから130nmの重要なチップが毎日1億枚以上生産される予定です。一方、レヒの施設では、28nmから65nmのアナログおよび組み込み処理チップが毎日数千万枚生産される見込みです。これらの施設は、アメリカの半導体供給の安定化に大きく貢献すると期待されています。
TIの役割と今後の展望
テキサス・インスツルメンツは、アナログおよび組み込み処理チップの製造において世界的なリーダーであり、今回の投資により、アメリカ国内での生産能力がさらに強化されます。TIのハヴィブ・イラン社長兼CEOは、「CHIPS法はアメリカ国内の半導体製造能力を強化し、エコシステムをより強靭にしています。私たちの投資は、米国内での300mm製造業務を拡大することで、競争力をさらに強化します」と述べています。
経済と国家安全保障への影響
この投資は、パンデミック中に供給不足が明らかになった「基盤的」チップの生産能力を大幅に向上させ、アメリカの経済と国家安全保障を強化する重要な一歩です。TIは今後も、アメリカ国内の製造能力を拡大し、供給チェーンの脆弱性を軽減するための取り組みを続けていきます。
今回の提案に基づく投資は、アメリカ国内での半導体製造業の再活性化を目的としたバイデン=ハリス政権の「Investing in America」戦略の一環であり、今後もこの分野での進展に注目が集まります。
詳しい情報はこちらの記事をご覧ください: U.S. Department of Commerce