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親子ゼニ問答(森永卓郎/森永康平)から得た5つの学び

教育

こんにちは、こどものマネー教育専門家のゆきひこです。ツイッターはこちら

森永卓郎さんと森永康平さんの「親子ゼニ問答」を読みましたので、その感想を書きます。

私もこどもの金融教育を推進したいと考えており、同じ考えで活動をしている森永康平さんに注目しています。

さらに、森永康平さんとは共通点も多いです。同年代で子ども三人という家族構成も同じ、海外在住経験ありという事で勝手に親しみが湧いてしまっています。

私が共感できる内容がたくさんこの本の中にありましたので、抜粋して紹介したいと思います。

子どもが聞いてくるシンプルな質問の難しさ

ある日こどもが聞いてきた。「銀行って何をするお店?」

親子ゼニ問答  森永卓郎/森永康平 著 より

この章では森永さんの家のお子様が質問をたくさんしてくる様子を説明していますが、これは私の家も全く同じです。こどもは本質をついた質問をズバッとしてきます。それに対して回答するにはこちらもある程度知識がないと答えるのが難しいのです。

「銀行ってなんのお店?」と言う質問は簡単なようで答えるのが難しい質問です。お金について勉強している人でも簡単に答えるのは難しいでしょう。むしろ、銀行が何をしているところかどうかは大人でも知らない人は多いのではないでしょうか。

こういう親子の会話からマネー教育が始まると思います。こどもが興味を持った時が教えるのに最適なタイミングです。その時に、親が答えられる知識を持っていないと答えられませんが、でもその場で調べて二人で勉強しても良いと思うのです。

また、「お金を借りるのは良い事?悪いこと?」という質問に関しても同様です。ただ借金は悪い事、と教えるのではなく、メリットとデメリットを教えるようにしたいですね。

私のブログでは銀行について簡単に説明するための例を記載しているので、ぜひこれでお子様と話をしてもらえればと思います。

http://japanfinancialeducation.com/2020/04/01/%e3%81%93%e3%81%a9%e3%82%82%e3%81%ae%e3%81%8a%e9%87%91%e6%95%99%e8%82%b2-%e9%8a%80%e8%a1%8c%e3%81%ae%e5%bd%b9%e5%89%b2%e3%82%92%e5%ad%a6%e3%81%b6/

お金のトラブルを避けるためのマネー教育

平日の昼間にカフェに行くことをオススメする理由

かなりの頻度で怪しい会話がきこえてくる

親子ゼニ問答  森永卓郎/森永康平 著 より

森永康平さんは平日のカフェに行く事をオススメしているのは、昼間のカフェで詐欺のような話をしている人を散見するからだといいます。私も長時間いた事はないので経験がないのですが、やはり詐欺というのはなくならないものなのですね。

詐欺にひっかかる人はわりと真面目な人のようで、人の話を真剣に聞く人のようです。そして急に声を荒げられるとそれにしたがって気まずくなって契約をしてしまう事が多いとの事です。

私が考えるマネー教育の目的の一つに、お金のトラブルを避けられるようになる。というものがあります。詐欺もそのトラブルの一つです。

マネー教育というと投資の教育をイメージするかもしれませんが、金融教育とは投資の内容だけとは考えていません。むしろ投資以外の内容の方が多いと思います。

マネー教育がなぜ詐欺を避けられるかと言うと、こどもの頃から詐欺の存在を理解していればそれに気づく事ができるからです。

人は知らない事に対して避ける方法は知りません。しかし、知っていれば注意することができますし、怪しさに気づく事ができます。そのために、金融教育はとても大切だと考えています。

人はお金をとるためにいろんな手を考えてくるという事を知っておくことは大切です。世の中にはそのような人が残念ながらいなくなる事はありません。

こどもにはお金の話は難しい?

「子どもには難しい」というのは大人が勝手に思い込んでいる話であり、伝え方、教え方次第では子どもでも理解できる

親子ゼニ問答  森永卓郎/森永康平 著 より

同意です。私も自分のこども達に教える時には、難しい内容をどのように教えれば理解してもらえるか考えています。そして大体の場合は伝えたいメッセージを理解してもらえます。伝え方、教え方次第なのです。

森永康平さんが入手したアメリカパーソナルファイナンスの教科書には、日本の大学一年生の経済学の内容が記載されていたそうです。しかし、それだけ難しい内容でも理解しやすいように絵で説明されていたりするので、こどもでも理解できるようになっているそうです。

子どもにはお金の教育は難しいとは大人が勝手に決めていること。その通りだと思います。

金融教育は、中学生高校生から、なんていうのは意味がないのです。説明の仕方次第で小学生でも理解できる内容がとても多いです。

そして、小さい頃からお金に興味を持つ事で、日々生活している中で関わるお金に関する事に興味を持ってきます。

例えば、銀行の金利の話は小学生には難しくても、上述した銀行が何をしているところかは説明次第で小学生でも理解できます。そして大きくなった時に彼らが興味を持てば金利やどのように利益を出しているか等の深い話が理解できるようになります。

お金は性と同じくらい家庭で教えにくいテーマ?

親子で話しづらいテーマは性とお金

親子ゼニ問答  森永卓郎/森永康平 著 より

森永康平さんが家庭の親に話を聞いた時に、お金の話は性の話と同じくらい家庭でしにくいタブーのテーマになっていると感じたそうです。

率直に私が感じたのは、性とお金が同列になっている事への驚きでした。確かに家でお金の話をしているというのは聞いた事ありませんが、性の話題と同じレベルとは思っていませんでした。確かに自分の小さい頃を思い出すと両方の話題の話を聞いた事はありません。

しかも、学校で性に関する授業はありますが、お金の授業はありません。性の知識は無いと大きくなった時に問題になるからですが、それを言ったらお金でも同じことです。

この状況を変えて行きたい、と森永康平さんは話しています。私もこどもの金融教育の普及のために貢献していきたいと考えています。

マネー教育は誰がするのが良い?

家庭での金融教育が現時点では最適解

親子ゼニ問答  森永卓郎/森永康平 著 より

金融教育の普及を考えた時に、学校教育に金融教育を組み込む事は難しいと悟った森永康平さんは、家庭での金融教育が現時点では最適解、と結論付けています。

私も学校での教育の状況を調べていくと、「学校ではお金の教育よりも受験の勉強などに時間を割く必要があるためお金の勉強は後回し」、「優先度が低い」状況にある事を知りました。また、問題は多くあって、「先生がお金の授業をできる知識がない」事や、「適切な教材がない」など、まだ金融教育を学校教育にする準備が十分でないと感じました。

そこで、私ができることを考えました。できるだけ家庭でお金についての話を親子で行えるように情報を発信していく事、そして、どのようにお金の授業をしたら良いかわからないという人のためにお金のテキストを作る事です。

私のブログに簡単な授業ですが、内容を公開していますので、これを参考に各家庭でお金についての話をしていただければと思っています。私自身もこの内容を参考に自分のこどもに授業をしています。

お金の授業のテキスト

こどもへの金融教育はこどものためだけにあるものではありません。同時に親も知識をつける事でより多くの人が知識をつけてもらえればと思っています。

最後に

このように、金融教育に興味のある人にはとても興味深い本になっています。ぜひ参考にしていただければと思います。