外資系企業の新人の海外研修について【20代向け】
外資系企業の新人がどのように研修するかに興味がありませんか?
外資系の日本支社では、基本的には即戦力の中途採用がメインになりますので、新人を採用するところは少ないです。
しかし、私のいた会社では新人の海外での研修を行なっておりましたので解説させていただきます。
[box class=”blue_box” title=”目次”]
- 外資系企業の新人向け海外研修について
- 外資系企業の新人向け海外研修のメリット
- 外資系企業の新人向け海外研修のデメリット
- 番外編:会社側のデメリット
- 海外研修を最大限に活かすためには
- 外資系企業歴10年の私からのアドバイス
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この記事を書いている私は外資系歴10年で、アメリカ駐在2年の経験があります。
アメリカでは現地の支社に日本人一人で働いて、現地の人の考え・やり方を学びました。
外資系企業の新人研修について
外資系の日本支社にはいくつかの種類の海外でのトレーニングがあります。
今回は、新入社員の研修について説明します。
[aside type=”boader”]大前提
新人向け研修があるかは会社によって異なります。
あなたが志望している企業の状況は事前に確認することをお勧めします。 [/aside]
1、新入社員向け海外研修の概要
新人教育に熱心な外資系では、新人がアメリカや海外に行って数ヶ月間研修を行う事もあります。
*以下は一例になります。
[box class=”green_box” title=”新人研修概要(例)“]
場所:アメリカ他
期間:6-12ヶ月間
メンバー:新入社員同期(海外の同期も含む)
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目的:
外資系企業の日本支社の新入社員は当然ほとんどが日本人であり、英語を使って仕事どころか、仕事をしたことすらありません。
仕事の内容を教えることの他に、海外と仕事をするという感覚を学んでもらう必要があります。
直接現地にてたくさんの外国人と仕事をして英語で話すことで、一回り大きくなって帰ってきます。
研修が終わったら一人前として現場に配属されます。
外資系企業の新人向け海外研修のメリット
海外研修のメリットは以下になります。
英語力・コミュニケーション力
外資系なので仕事で英語は必要になります。かといって新入社員が全員TOEIC900点以上、なんてことはありません。
外資系は日本企業より知名度が無いので、人を集めるのにも苦労します。
英語能力については会社に入ってから伸ばす、ということで、今英語ができなくてもポテンシャルにて入社する人も多いです。
しかし、会社に入ってから海外研修までは日本にて山ほど英語研修が待っています。
海外研修に行く前に最低限の英語力をつけるためです。
本当に英語ができないまま海外に行っても何も学んでこれないからです。
[box class=”green_box” title=”参考”]
こちらの記事で外資系企業で働くのに必要な英語力について解説しています。
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また、現地では本社の製品部などで仕事をすることになります。
将来共に仕事をする同僚と直接知り合いになれるので、配属後の仕事に役立つコネクションが作れます。
また、現地では当然ながら日本語は通じません。
同期で集まった時などは日本語で話せますが、仕事は別々の部署になると想定されますので、自分が英語で話さないといけません。
その環境でみんな最低限の英語コミュニケーション能力を育てることができます。
仕事だけでなく、同期とプライベートで旅行にいったり、現地で友達ができることによってコミュニケーション能力や文化の違いを楽しむことができるのも
この海外研修の良いところです。
私が見た新人は研修から帰ってくると表情が自信に満ちていて、別人のようになって帰ってきます。
多様性の認識向上
文化の違いを学ぶことも大きな目的の一つです。
日本で働いていると会社も取引先も日本人なので多様性を感じることはありません。
しかし、外資系で働いて一番大きいカルチャーショックは文化の違いだと思います。
日本企業ではバックグラウンドも同じ人たちとなので暗黙の了解などで仕事が進みますが、外資系・多国籍企業では全てをロジカルに説明する必要があります。
それも英語でコミュニケーションを取らなければなりません。
外国人といっても欧米の人だけではありません。今中国人やインド人などはどこにでもいる状況です。
しかも、彼らはとても優秀です。
英語力は当然のこと、相手の文化を理解しようとすることは今後仕事をしていくなかでとても重要なスキルになります。
世界は多様である事を認識した上で仕事をする必要があります。
現地での研修では身を持って多様性を感じることができるので会社生活だけでなく、
人間的にも広い視野を持つ事ができるようになります。
サバイバル力アップ
海外に行くとどんな場所であれ、日本より危険な場所が存在すると思います。
日本は世界一安全な国です。
言い換えると、日本人は世界一無防備な国民と言えます。
そのため、海外でどのように生活するか、していいことといけないことを理解できるようになります。
本当に危険な目に遭う必要はありませんが、今後の人生でどこでも生きていけるような意識を持つことは仕事だけでなく人間として必要な能力ではないかと思います。
日本では考えられないほどの貧富の差も見ることもあるでしょう。
自分の身は自分で守る必要があるという事を学ぶだけでも大変有効なことだと思います。
ネットワーキング
仕事でもプライベートでも、研修で海外に行く時には外国人の知り合いができます。
それが一生の友達になるかもしれませんし、プライベートで恋人を見つける人もいるかもしれません。
仕事においては、知り合いがたくさん増えると、日本に帰国してから本格的に仕事を始める時に役に立ちます。
研修でお世話になった人と一緒に仕事をする時には昔知り合いになっているとスムーズに仕事を受けてくれると思います。
外国人も人間です。
顔を知っている人の方が、メールだけのやりとりしかしていない人より優先して対応してしまうものなのです。こ
れは外資系で働く際に持っていた方が良い情報です。いろいろな人と会って自分を知ってもらうことはどこで働く場合においても大切なことだと思います。
プライベートでは、海外の同期とともに生活する事で友達ができます。
会社人生の友人になり、一生の友達になるかもしれません。
私の友人でも数年前に海外の同期と知り合ってからずっと連絡を取り合っている人もいます。
日本人以外の同期と知り合いになれるのはこのようなトレーニングのメリットだと思います。
通常は外国人の友人を作る事は難しいと思います。このように研修で知りたいができるのは非常に大きなメリットだと思います。
採用に良い効果
海外研修があるという会社は魅力的に映りますよね。
採用が厳しい昨今、海外に研修に長期でいける企業は差別化の一つになるでしょう。
新人にこのような海外研修がある企業は珍しいです。
現在の学生も自分を成長させてくれる会社に入りたいと思っていると思いますし、海外の経験は今後一生役にたつ経験になります。
そのように上を目指している学生にとっては魅力に映ります。
お金が貯まる
隠れたメリットですが、生活費を会社が出してくれ、日本では給与が出ている場合、お金がたまります。
日本の給与を使うことがないからです。現地で旅行に行ったりお金を使ってしまっている場合は貯まらないかもしれませんが…。
外資系企業の新人向け海外研修のデメリット
メリットの方が大きい海外研修ですが、デメリットもあります。
危険な目に遭う可能性
通常、企業の海外研修では安全な場所に住むことになります。しかし、危険な場所に行こうと思えばいけるのです。
現地の人となるべく情報交換を行い、安全に気をつける必要があることを認識しておきましょう。
日本を長期間離れること
日本を長期間離れられない事情がある人は、長期間の海外滞在は難しいです。
ホームシックになってしまう場合なども厳しいですね。
日本に帰りたくなくなる、日本の嫌な面が見える
海外に行って数ヶ月でも住むと、日本より快適になってしまう人もいます。
また、日本の面倒な部分や悪い部分が見えてきます。
今まで生まれ育った国なのでそれが当たり前と思っていたことが、外から見るとなんで?と思うようなことが本当に多くあります。
日本に帰ってきた時にその部分が見えて、日本はなんでこんな国なんだろうと思うこともあります。
しかし、そんな時は逆に日本の良いところを考えてみましょう。
海外よりも日本の良いところもいくらでも見つけられます。
どちらの国が良いか比べるのではなく、違いを認めるようにしましょう。
番外編:会社側のデメリット
目線を変えて、会社側がどのようなデメリットを持って新人を海外研修に行かせているかを考えてみましょう。
経費
当然ながら経費はかかります。新人の人数にもよりますが、移動費宿泊費以外にも人が半年生活する費用は小さいものではありません。
大きな企業で教育に力を入れている企業でないと全員に研修を受けさせる事は難しいと思います。
また、見えない経費として、受け側の部署の負担があります。
この新人の面倒を見るために研修生を受け入れる側の部署のリソース(人員)をかける必要があります。
帰国後すぐに転職するリスク
いつでも、入社後数年で転職してしまう新入社員はいます。
最初からその意図はなかったとしても、企業にとってはその投資が無駄になるのです。
これは大きなリスクです。
リスクヘッジのために、
場合によっては帰国後何年かは転職は控えて欲しい、というような契約をする場合もあるかもしれません。
海外研修を最大限に活かすためには
何を学ぶかは本人次第。意欲・英語力の違いにより吸収できるものも変わってくる
現地でどれだけのことを学んでこれるか、これは残念ながら個人差があります。
企業側としては全員に最大限の学びを得られるプログラムを作成しようとしますが、これは不可能です。
例えば、英語力が高い人の方が現地で学べる事は多いでしょう。
なぜなら英語でつまづいてしまうとそれ以上のことが学べないからです。
英語は手段であるので、現地のリーダーから学ぶためには最低限の英語力は必要だと思います。
そして英語ができればできるほど、彼らの考えていることの本質に近づけると、個人的には感じています。
ある程度のレベルになれば彼らとコミュニケーションは取れるから最低限以上の英語力はなくても良いという考え方もありますが、
私はそのように最低限の英語力というレベルはなくて、英語力が上がればあがるほど、彼らから学べることは多くなる(コミュニケーションがフルで取れるようになる)と考えています。
また、意欲・マインドも大切です。
どこまで学んで帰ろうとしているのか。仕事はそこそこで現地を旅行して文化を学べばそれで良いのか。
個人によって目標は違いますし、どれだけオープンマインドで言われた事に対して自分で考えるかは個人に委ねられています。
与えられた貴重なチャンスを最大限に活かせるように、全て学びの姿勢でいろいろな事にチャレンジすることをオススメします。
外資系企業歴10年の私からのアドバイス
これから外資系を目指す人は、受ける企業に研修やトレーニングがあるかどうかを確認してください。
もし研修やトレーニングが充実していれば、その企業は社員の教育に力を入れていると言えます。
また、もし研修がある場合はあなたの人生において非常に重要な機会になるので、
なるべく高い目標を持って自分で努力してください。
その人の努力次第でその海外研修の価値は変わります。
英語も、アメリカに行くだけでは話せるようになりません。
友達も自然にできるようになる事はありません。全ては自分の努力次第です。
このような外資系のチャンスを活かして、日本のビジネスパーソンが成長して世界と戦える能力を持つことを期待しています。
外資系企業へ就職に向けたオススメ英会話スクール
最後に、外資系で働く前に英語力をつけたいと思っている人にオススメの英会話スクールはこちらで紹介しています。
読んでいただきありがとうございました。