Yukihiko Blog Written by Yukihiko

なぜ日本人はお金が汚いと思うようになったのか。お金の教育が進まない理由。

教育

お金の教育を進めたいと思った時に、日本の文化という壁に当たります。「お金が汚い」という文化です。

お金が汚いとは思っていない人でも、「お金儲けする事は悪い事」「汗水たらして働かない不労所得のようなお金は卑しいもの」だったり、お金に対して悪い印象を持っている人が多いと思います。

これは日本の文化がそうしているので、そう思っている人は悪い人とかいう個人レベルの話ではありません。

歴史を紐解いてみる

では、いつから日本では「お金は卑しい、汚いもの」と思うようになったのでしょうか。

調べてみると、それは江戸時代から始まったようです。400年前からお金は汚いと言い出していたんです。長い歴史なので闇は深そうですね!

当時は江戸時代。幕府としては長く政権を保持するためにいろいろな政策を考えていました。どのようにすれば安定した世の中になるのか。その政策の中の一つの考え方が、「国民がお金を持たなければ国が安定する」というものでした。

なぜそう思ったのでしょうか?それは人はお金で争いごとをしたり、お金儲けのために幕府に不満を持ったりするからです。「お金を欲しがらない国民を作る」ことが国を安定させるための案の一つだったのです。

大名は参勤交代などで資金を蓄えられないようにし、国民にお金は行き渡らないようにしました。お金を扱う商品は卑しいとして低い身分とし、武士などを高い身分にしました。「お金儲けをする人は身分が下」という価値観を作ったのです。

「お金を欲しがらないように」という国からのメッセージ。これが数百年続いた中で我々が今お金が汚いものと思っているのもある意味解けない洗脳に近いものなのかもしれません。

お金にネガティブなイメージを持つ「洗脳」

みなさんはお金にどんなイメージを持っていますか?日本で育っている以上はある程度ネガティブなイメージを持っていると思います。代表的なものでいうと以下のようなものです。

  • 汗水垂らして働くのが良い事。投資はギャンブルだから悪い事。
  • お金にこだわるのは卑しい人。
  • お金はリアルではない。実際にあるものの方が価値が高い。
  • 家族でお金の話をするなんて悪いことだ。
  • こどもがお金お金言い出したら行儀が悪い。

どうでしょうか、当てはまるものもあると思います。まずは自分がどれくらいの洗脳を受けているか認識するところから始めましょう。

私も小さい頃は親からお金の教育どころか、お金の話をされたこともありませんでした。一部の金融関係で働いている父親の家庭を除いてはほとんど似たような環境ではないでしょうか。

よく言われるのが、性とお金の話は家庭ではタブーにされているという意見です。直感的にそう感じますよね。

このお金に関する「洗脳」ですが、アメリカや中国など外国の人は全くありません。日本人が「資産運用して汗をかかないで稼いだお金は悪い!」と言っても何を言っているか理解してもらえないと思います。いかに日本だけの文化で我々のお金の知識が抑えられているかがわかりますね。

日本特有の同調圧力が原因の一つ

なぜ、日本人がこのような考えを持ってしまったのでしょうか。一つの理由としては日本人特有の同調圧力にあると考えています。

同調圧力とは、みんながこうしているから自分もそうしなきゃいけないと考えてしまう事です。自分だけ外れるのが怖い、そういう感覚でしょうか。

日本は歴史的に農耕民族です。なので村社会でみんなで協力して生きてきました。個人でなく、集団で生きることに慣れているのです。つまりその集団の中で個性を出すのはむしろマイナスで、叩かれてしまうのです。

歴史的に村八分と言った言葉で表されるように、村の中では村のルールに従うべき、できない者は外される。という厳しい集団社会なのです。つまり、個性を出すことは許されず、人と違う事をしている人は叩かれます。

その感覚があるからだと思いますが、「一人だけお金儲けしている人を許せない」とか「友達より稼いでいるけどそれは言えない。」とかお金に関してもオープンにできない文化ができています。

「洗脳」を解くためには

なるほど。では、どのようにしてこのお金の呪縛から解かれるのでしょうかと疑問が湧いてきますよね。これは難しい問題です、簡単ではありません。

私が考える一つの案は「自分のお金の価値観はたしかにこのような歴史・文化によって影響を受けている」と自分自身が認識する事です。

客観的に認識できれば、お金を汚いと思う事が良いことなのか、悪いことなのかを自分で判断できるようになります。

小さい頃に作られたお金のイメージはとても強いものです。だからそんな簡単に「洗脳」からは抜けられません。聞くところによると、6才くらいですでに親がお金について話している内容からお金が良いものか悪いものかのイメージが出来上がっているそうです。

金融教育を推進したいと思っている私でさえ、資産運用で稼ぐお金には汚いイメージがあるのを認めます。しかし、だから資産運用をしないわけではありません。そのイメージがある中でも、やはり自分の人生の中で必要なものかどうかを考える。そして、論理的に資産運用がどういうものかを頭で考えて必要であれば実行する。そこにイメージを介さないでロジカルで考えることを私は心がけています。

まとめ

我々日本人にはお金は汚いものという思い込み・洗脳がある事をまずは認めましょう。それが「お金は汚いもの」という洗脳を解くための第一歩です。

お金のイメージが良くなれば、もっとお金の教育(金融教育・マネー教育)をするべきだと声をあげる人が増えてくると信じています。

そして、お金の教育が普及してくれば経済が良くなり、詐欺に会う人も少なくなり、将来の不安にも備えられる。そうして人々は幸せになっていく、こう考えています。

以上、読んでいただきありがとうございました。