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外資系企業の新卒採用と中途採用(転職)のメリット・デメリット【企業側からの視点で見る】

外資系

外資系に興味があるけど、どのように採用をしているのか知りたいと思いませんか?

外資系企業の日本支社の採用の方法は日本企業とは異なります。新人採用はしているのか中途採用だけなのか。一般的な考え方を知りたい方も多いと思います。

の記事では、外資系企業がどのように新卒採用と中途採用を使い分けているか、

そのメリット・デメリットを企業側の目線で解説していきます。

  1. 外資系企業の採用について
  2. 外資系企業の中途採用のメリット
  3. 外資系企業の中途採用のデメリット
  4. 外資系企業の新卒採用のメリット
  5. 外資系企業の新卒採用のデメリット
  6. 外資系歴10年の私のコメント

この記事を書いている私は外資系企業の勤務歴10年です。

もともと日系企業に新卒で就職しまして、外資系企業に転職を2回経験しています。

アメリカ駐在を2年間、現地ではローカルの中に日本人一人で働いた経験がありますので、外資系企業の考え方には精通しています。

外資系企業の採用について

外資系の日本支社の採用の多くが、中途採用が中心です。

理由は外資系の日本支社は規模が小さい企業が多いので、即戦力が必要になります。

新人を育てるとなると教育のリソースが必要になりますが、少数で回している外資系の日本支社にその余裕はありません。

日本で長くビジネスをしている外資系企業の日本支社であれば新卒採用も行なっています。しかし、一部の会社で多くはありません。

多くの外資系企業が最低限必要な即戦力の人材を中途採用で雇ってビジネスを回しているというのが現状です。

しかし、最近は外資系でも日本の新卒を採用する会社も増えてきましたので、その解説も行います。

外資系企業の中途採用のメリット

即戦力で仕事ができる

中途採用の一番のメリットは、採用してすぐに即戦力として仕事を頼めることです。

すでに以前の会社にて働いた経験がありますので、スムーズに仕事が立ち上がっていきます。

企業としては無駄がなく効率よく仕事を進めることができるのが大きなメリットです。

実績から採用するので質が高い

中途採用では、新人採用より企業が求めているポジションに最適な人材を採用することができます。

なぜなら、今までの実績を確認することでその人が何ができる人なのかがわかります。

つまり、実際にしてきた仕事を見てから採用できるので、全く何も経験がない新人よりは確実に必要な能力のある人を採用することができるのです。

私が実際に見てきた中でも、中途採用で入った人で過去に同業界で働いていた人は、期待されていた能力を持っている人が多かったです。

逆に、新卒採用はポテンシャル採用的な面があるので、時間をかけて育ててみないと実際に会社の期待に応えてくれるかの判断が難しいのです。

基本的な社会人としての教育をする必要が無い

前述した通り、中途採用には十分な教育は必要ありません。

すでに以前の会社にて基本的な仕事の教育を受けてきているので、新卒のように一から仕事の仕方などを教える必要はありません。

外資系企業に転職してくる人は、日本企業に新卒で入社して経験を積んでから外資系に入ってくるパターンが多いです。

私もそのパターンでした。

この場合、日本企業でしっかり基本的な社会人としての教育と仕事をする上での経験を積んでいる人が多いので、

外資系企業側の教育の必要性は薄くなります。

外資系企業の中途採用のデメリット

ベテランは変化への対応力が弱い

経験値があればあるほど、その経験で学んだ価値観を変えられなくなります。

特に、年齢が高くなればなるほどその傾向があります。

なぜなら、自分が今まで経験してきたことに誇りを持っているために、新しい会社で違うことを言われても素直にそれに従うことは難しくなるからです。

私の見ている中でも、非常に優秀なビジネスマンだったベテランの方で、会社の大きな方針の変化についていけずに会社を去っていった方も多くいました。

変化の大きい外資系なので、経験値が逆にデメリットになることもあるのです。

給与(採用コスト)が高い

従業員にとっては良いことなのですが、会社にとってはデメリットです。中途採用の方の給与は経験がある分、高いです。

外資系の転職では以前の給料と経験がベースになって上がる場合は多いので、年齢が上がると高い給与をもらっている方も多くいます。

しかし、会社にとっては高い給与の方はそれなりの結果を出してもらわないいけない存在になりますので、高い給与はリスクにもなるのです。

会社の人件費を考えると、ベテランの中途採用1人を雇うお金で新人を3人雇えるケースなどもあります。

外資系企業の新卒採用のメリット

吸収力が大きい、教育次第

新人の一番の魅力は、企業が育って欲しいように教育できることです。

企業は自社の方針に従って最良の結果を出す社員を求めています。

会社の文化にあったマインドセットを持つ人に働いて欲しいと思っています。

そういう人に働いてもらうには、真っさらな新人を自社の文化や教育で染めていくのが一番です。

私のいた企業でも、会社の方針が大きく変わった時にはベテランの方は変化についていくのが難しいのに対して、新人は変化がスムーズでした。

新人にとっては経験が無い分、新しい環境が当たり前だと思えるので、すぐに会社の新しい方針についていけるのです。

会社としては、新しい方針にすぐに従ってくれる従業員の方を評価します。

平均年齢が下がる

会社の状況次第では、社員全体の年齢構成を気にしている企業もあります。

その場合、新卒採用のメリットは平均年齢を下げることにあります。

企業としては年齢構成があまりに高くなってしまっている状態を好みません。

全員が50代の会社では将来が不安になりますよね。

給与が低い

当然ながら、新卒採用のコストは中途採用より安くなります。

外資系企業の新卒採用のデメリット

採用の質が不安定

新卒の採用は近年では売り手市場になり、どんどん競争が激しくなっています。

日本の中での知名度が日本企業に劣る外資系にとって優秀な人材を採用するのは簡単ではありません。

経験の無い新卒を採用する際には、今後働いてくれるかどうかのポテンシャルを見て採用することになるので、どうしても判断が難しくなります。

採用人数を確保するために質を下げて人数を集めてしまうと、優秀ではない人まで採用してしまう可能性があります。

実際に、大量の新卒を採用した時に、評価があまり良くない人が雇われることはよくあります。

その人たちはすぐに辞めてしまったり、評価が低いまま働くことになり良い結果になりません。

入社数年で転職してしまうリスク

外資系に限りませんが、入社して数年でやめてしまう新人が後を絶ちません。

企業として、新人教育という投資をする以上、辞めされてしまうことは企業にとって大きな損失になります。

私のいた外資系企業では新卒で入ると海外研修があり、それに参加して海外経験をつけてからすぐに辞めてしまう人もいました。

それが転職して競合他社に行ってしまったら、企業としては目も当てられません。

参考:外資系の新人研修についてはこちらの記事で書いています。

英語力が低い

社会人経験が無いので当然なのですが、英語で仕事をした経験は無いため、中途採用の人よりは英語力が低いです。

逆に新人は年齢も若いので、今後英語力は伸びしろが大きいのでその点はメリットに見える場合もあります。

外資系に必要な英語力については、こちらのページに記事がありますので参考にしてください。

外資系歴10年の私のコメント

外資系も採用コストとそれに伴う会社の利益を天秤にかけて採用を決めていきます。

そして、規模によって方針は変わります。

小さい企業は中途採用で実績重視。大きな企業は新卒も採用し教育していく。

いずれにしても、外資系企業で働く人は一生その会社に人生を捧げるという考えの人は少ないです。

したがって、自分のその時の状況と将来のキャリアも含めて会社を選べば良いと思います。

新卒で外資系に入る人も、転職はいつでもできると思えるくらいに経験を積んで欲しいと思います。

外資系転職のおすすめエージェント情報はこちらにありますので、興味のある方は参考にしてください。

経験者による外資系転職のおすすめエージェント4選【未経験でもOK】


また、外資系企業への転職のメリット・デメリットについてはこちらに記事にしています。

外資系企業への就職・転職のメリット・デメリット【わかりやすく解説します】

読んでいただきありがとうございました。