Yukihiko Blog Written by Yukihiko

外資系企業を退職する今だから話せる気持ち

外資系

こんにちは、ゆきひこです。

先日、長く働き続けた会社を退職しました。その理由と背景について備忘録も兼ねて書くことにします。外資系にて働こうと考えている人の参考なれば幸いです。

会社の期待値と自分の気持ち

辞める前の数ヶ月、上司主導で改善計画というのを行なっていました。目的は、自分のビジネスを伸ばすため、また次のステップ(昇進)に進むためです。そのような謳い文句のもとに、私の会社の期待から離れた行動(改善が必要)の改善を図り、次のリーダーになれるようにとの教育でした。

それ自体は何の問題もないように聞こえます。しかし、私はその活動をする事でモチベーションが高く保てなくなっていたのです。なぜでしょうか。

そこで、本当の自分はどう感じているのか考えました。自分はなんでモチベーションが下がっているのか。

以前から会社の評価自体は高く、そのうち次に上がれる(管理職になれる)と言われ続けていたのに、ずっと昇進できずにいた。このままでは永遠に次期リーダーになるのではないかと思ってしまっていました。先が見えない状況だったのです。

客観的に見ればその期間は1-2年だったので、もう少し時間をかけても良いのではと思ったかもしれませんが、自分にとっては十分な時間だったのです。

私が会社を辞めると言った時には、みんな口を揃えて、「あなたは次に昇進する人だと思っていた」と言われました。「良いポジションにあったので辞めるなんてびっくり」、とも。それは褒め言葉に聞こえますが、自分の中ではそれを言われる事が特にうれしくなかったのです。

常に上に上がれない人、というような感じがしていました。やはりみんなに期待されている中でそこに応えられないことが、自分の苦しみを生んでいたのかもしれません。

管理職の厳しさ

時間をかけて次期リーダーを育てたい背景も理解できていました。

一度管理職に上がってしまってから悪いパフォーマンスを見せてしまうと、もう会社にいられなくなる」という流れがあることが原因でした。

役員クラスが来日する機会があります。管理職はその人向けにプレゼンをするのですが、このプレゼンの結果でその管理職の会社での評価が決まってしまうのです。低い評価を言われたらもう一度その評価を取り戻すのは難しいのです。

そのため、プレゼンの前の1-2ヶ月は発表の資料作りに没頭します。そこでの結果がこれからの会社人生を決める事をみんな理解しているからです。一番の優先度は発表内容がしっかり筋が通っている事になります。

日本支社の権限の変化の影響

以前日本に権限があり、日本の社長も日本人が務めていた頃は、プレゼンはここまで絶対的なものではなかったのです。海外ではそうだったが日本だけは違っていました。人事権が日本にもあり、日本の社長が誰を昇進させえるかも決める事ができたのです。

しかし、ある時期に本社から日本支社に社長が送られて来ました。その時から、本社の権限が強くなったのです。

また、数字で結果を出すことも評価のポイントになりました。なんとなくあいつはよくやっている、という形で昇進していく人も日本企業には多いと思いますが、外資系では数字がないと認められない。それは本社の人間がみるのはまず数字だからです。

あなたがどんな人間かはデータにはでないのです。ただ、あなたの営業成績のデータはすぐに見れてしまいます。誰と仲が良いとか、助けてもらえる人が多いとか、そういうのでは直接は評価されないのです。

退職する今でも、私はこの会社が嫌いではありません。この会社の日本支社は変わりましたが、会社自体の本質は何も変わっていません。アメリカで見たこの企業の文化そのままで、私の好きだったところも残っています。

日本企業からこの外資系企業に転職して来た時に、一番に気に入ったのは、全てにはっきりした理屈がある事でした。何をするには明確な理由があり、それが売上アップや会社を伸ばすために必要という背景がありました。

日本企業では理由は聞かないでとにかくこれをやれとか言われる事もあるが、全てに理屈が通っている(正直、屁理屈もあるが)。その点は今も好きな点だったのです。

しかし、逆を言えば、理由があり大事だという事だけしか見ないという事もあります。余計な事をやっているとなんでそれをやっているのか、理由を並べる必要が出てきたりします。なんでやるべき事をできないのか、これも理由を求められる。少し窮屈に感じる部分は正直ありました。

ということで辞めることになったのですが、この外資系企業はとても会社としては強い会社です。これからも企業の業績は伸びていくだろうと思います。外からになるが、ずっと応援していきたいと思う。

最後に、
私を快く見送ってくれた同僚・上司やお世話になった方々に感謝を示したいと思います。ありがとうございました。

読んでいただきありがとうございます。